


国内ダンス留学@神戸は、充電期間をおいて、今年7期をむかえます。
これまで卒業していった留学生は約60名。それぞれ国内外のダンスの現場は基より様々なシーンで活躍している人も多くいます。
コンテンポラリーダンスはテクニックも含めて自由で多岐にわたる表現です。
8か月にわたる授業はたくさんの講師から、「今あるべき表現」に対して多くのことを学べる機会です。今あるべき表現とは何か、新しい表現がいきなり生み出されるわけではありません。時代を越えて普遍的にダンスが受け継がれてきたこと、古典といわれることからも学ぶことは多いのです。そして新しいダンスを革新的に生み出し、この時代にとってのダンスの可能性つくることが大切です。
昨年から続くコロナ禍のなかで、オンライン化が進み、対面する機会が減少しています。そのような状況が進行するなかで、身体で感覚し思考しコミュニケーションをとることが増々重要な社会になると思います。
ダンスの持つ身体を通じた創造性を育み、それを社会に活かせるようになることを目指す振付家・ダンサーを広く募集いたします。
大谷 燠
DANCEBOX Executive Director

ニューヨークで35年間、ダンサーとして、そして、振付家として、数多くの舞台芸術のアーティストとの出会いがありました。中には、現在も世界的レベルで活躍しているアーティストもいます。その多くは、必ずしも経済的に恵まれた環境で育ったわけではありません。時には家庭の不和の中で育っていたり、地方出身であるため、舞台芸術とは無縁の環境にいた人たちもいます。コンテンポラリーアーティスト(現代作家)の多くは、恵まれた環境で育った人は大変に稀です。
見方を変えれば、伝統芸能やバレエのように、幼少期の特殊訓練など、恵まれた環境を必ずしも必要としないのが、コンテンポラリーダンスの特徴でしょう。
では、なにが彼女たち、彼らを、特別な人にしていくのでしょうか?
ここに、ダンスのフィールドにおける育成事業の大きな問いがあると思います。
「どのような環境で、舞台芸術家は育つのか?」という問いです。
今回、国内ダンス留学7期の統括ディレクターという重大な任務をいただきました。
コロナという未曾有のパンデミックが出現してしまった今、ウィルスを共にした時代を生きぬいていく上で、舞台芸術において作家として、あるいは、実演者として、課せられる術や知識、そして経験は何なのか。ダンスボックスのスタッフと一緒に、何度もミーティングを重ねて話し合いました。
今回が7期となる国内ダンス留学プログラム。
毎期ごとにアップデートを重ね、時代を見据えて変容していく自在なあり方は、舞台芸術育成事業において画期的な一例となっています。
それは、ダンスの作品づくりと似ています。
クリエーションを通過しながら、新しいダンスが発明され、作品は刻々と変化を遂げていきます。
踊り、作り、踊る、の繰り返し、これが、本プログラムの基本姿勢です。
厳しいコロナ禍の時代に、地元を離れて新長田に留学してくるみなさんの、その切実な勇気と止まらない情熱を思います。
素晴らしい講師陣、振付家の方々が、みなさんを未知の世界へと運んでいってくれることでしょう。
日本のどこかに住んでいるダンサーであれば、誰でも応募できます。
みなさんと、お会いできる日を楽しみにしています。
余越保子
国内ダンス留学7期 統括ディレクター