2H×1コマ
8/7(金)
16:00-18:00
加藤種男
「踊ることの社会的価値をさぐる」
全ての表現は、社会的な意味あいを持つ。ダンスも同様で、極めて個人的な私的な意味合いから、思いもかけない社会的な意味合いを持ってしまう。
これをコミュニケーションの側面から見ると、ダンスは人に伝わるけれども、しばしば誤解を生むかもしれないということだ。
そして、この誤解が重要だ。どのような表現手段を取っても自分の思いを正確に人に伝えることはできない。表現した途端に、自分の思いを超えてねじ曲がってしまう。しばしば自分にだって、思いがけないダンスになるものを、人はもっと思いがけないと受け取っているはず。これは個人の思いが社会に広がっていくことではないだろうか。
だから、自分のダンスを自分で説明しようとしても、あまりうまくいかない。むしろ他者の声を聞くことだ。見た人の意見を聞くことが重要だ。
私の表現をどこまで誤解し広げてくれるだろうか。それが楽しみ。といった感じか。
あらためてダンスについてみんなで語り合ってみよう。
「自身の表現を社会に出すこと」「表現者として生きて行くこと」を考える。それも、対話を通して考える。
この閉塞感で窮屈な社会を揺り動かすために、必要なものは何だろうか。今回は、饒舌、対話、諧謔で行きたい。騒々しく、でもお互いの話を聞いて、ボケと突っ込みによって、面白くなるだろ。
そこから突然、理論化が始まる。そうだった、ダンスの社会的価値をさぐり、これを理論化するのだ。
議論つきてさても踊るは面白き
笑解
加藤種男
1990年から2013年まで、アサヒビールのメセナ活動を担当し、「アサヒ・アートフェスティバル」を立ち上げる。2012年より現職。あわせて、NPO の環境整備に取り組み、アートNPO フォーラムを立ち上げる。また、2002年から2010年まで、「文化芸術創造都市・横浜」の旗振り役を務め、以後全国各地の地域創造を支援。その他の主な現職は、おおさか創造千島財団理事、さいたまトリエンナーレ総合アドバイザー、沖縄県文化振興会アドバイザー、アーツカウンシル東京カウンシルボード議長など。