アイ・カレー・ユー
こんばんは。
またもや日付を越えてしまいましたが、
今夜は1日の空腹をサイコーのかたちで満たした野田ヨウエイです。
今はブランケットを肩にかけ、
ホクホクした気分でパソコンをカタカタしています。
BGMはデューク・エリントンの『Chloe』でお届け。
(ところでこの曲の冒頭のメロディは、なんの楽器なんでしょう?
私はどうしてもこれが人の声にきこえてしょうがない。
「ヤァァ~~ヤァ、ヤァ~ヤァヤァ~」って言ってる、、)
本日土曜日は稽古がお休みで、夜になり空腹を持て余した私はふと思い立ち、
DanceBoxの劇場近く、六間道商店街のなかのとある喫茶店に行ってまいりました。
商店街でもひときわ異彩を放つ、茶色い喫茶店『ロス』。
ショーイング公演が終わったばかりのころ、4期生の何人かと一緒に初めておジャマしたお店。
そのとき食べたカレーが忘れられなくて、どうしても食べたい!と
今夜はひとりで行ってきました。
カレー、やっぱりとっても美味しかった。。
トロトロの王道ジャパニーズカレーに、この世の中の“中辛”の部分をすべて抽出してスパイスに加えた感じ。
福神漬けがね……まるでルビーのような、真紅の光を、放っているのですよ……
「ロス」のおかあサンが、いろいろと話しかけてくださった。
「ああ、ダンスボックスのところの人ね!この前、そこで踊ってたよね」って。
「この前」というのは、去年の11月のこと。
新長田のまちで行われた「下町芸術祭」のダンスプログラムのひとつ、
「街角みちみちパフォーマンス」という企画で、
私たち4期生はイギリスの振付家 Sioned Huesさんの「10」という作品を
この六間道商店街で踊ったのでした。
パフォーマンスエリアがちょうど「ロス」の目の前でもあったので、
おかあサンはお店からたまに出てきては、練習中や本番の様子を見てくださっていたのです。
以前からダンスボックスとは交流のある、喫茶店「ロス」。
劇場と地域のつながりをしみじみ感じつつ、冷えたカラダにしみわたるアツアツのカレーをいただきました。
そして、持っていた成果上演のチラシも、見ていただきました!
「一度ダンスボックスに観に行ったことあるよ、でもムズカシィ~ねぇ、ゲイジュツは!言わんとしてることが、なかなか分かんなくてねぇ」とおかあサン。
そうですね、ほんとにムズカシイ、ですよねぇ。
このとき私は、ロスのおかあサンにも「おっ」と思ってもらえるような作品をつくりたい……とココロから思ったのでした。
ああ。それってすごいこと。
私たちの素性を知ってる人、まったく知らない人、
ダンス作品を見たことがない人、劇場に来たことのない人、
野球がシュミのお父さん、時代劇の好きなおばあちゃん、
あらゆる人たちにほんの一瞬でも「へぇ」とか「んっ?」とか「わァ」と思ってもらえるような、そんなダンスを、おどりたい。
「ロス」で流れていたバラエティ番組を、
その場にいた人たちはみんな、ボゥっと眺めていた。
テレビにはないオモシロさが、きっとダンスには、ありますよ。
劇場へわざわざ足を運んでもらえるくらいの力を持つ、その“何か”をはっきりと示さなくてはならない。
こんなぼかした書き方じゃなく、この胸にドーンと引き受けて言えるようにならなくては。
次に「ロス」へ行ったときには、成果上演に自信を持ってお誘いしたいです。
「ロス」のおかあサン、私、こんなおいしいカレーみたいな作品つくるよ。
ヌラヌラとあやしくうつくしく光り輝く福神漬けも乗っけるヨ、
ぜひ、見に来てくださいネ。